フィールドワーク② 「原酒造株式会社」

次に訪れたのは、創業210年の歴史を誇る酒蔵「原酒造株式会社」です。代表銘柄「越の誉」をはじめとする日本酒を醸造しており、柏崎市内外はもちろん、海外からも多くの方が訪れる人気の酒蔵です。

今回は、取締役の原さんから酒蔵の案内をしていただき、事業を通じた柏崎への想いについてもお話を伺いました。

◾️ 酒蔵見学
まずは、酒蔵の見学からスタート。「和をもって良酒を醸す」という格言に由来する「和醸蔵(わじょうぐら)」と呼ばれる酒蔵で、さまざまな製法や設備について学びました。

酒造りの原料であるお米ひとつをとっても、産地やブランドだけでなく、「磨き」と呼ばれる精米歩合へのこだわりが随所に見られました。日本酒が完成するまでの過程には、細部にわたる丁寧な作業と、並々ならぬ苦労があることを実感しました。

◾️ 震災を乗り越えて
原酒造は、2007年7月16日に発生した「中越沖地震」で壊滅的な被害を受けました。しかし、奇跡的に残ったタンクで醸造を再開し、現在では震災復興の象徴ともいえる酒蔵となっています。

現在は、日本酒文化をより身近に感じてもらうため、見学コースを整備し、蔵人が直接説明を行う取り組みを実施。また、「新酒まつり」などのイベントを開催し、地元の食材とコラボレーションするなど、地域に根ざした酒蔵を目指しています。

原さんのお話の中で特に印象的だったのは、
「酒蔵は私の育った場所であり、とても好きな場所。その好きなことを仕事にできて幸せだし、蔵元として多くの人に日本酒と触れてもらえることが本当に嬉しい。」という言葉でした。
また、酒造りにおいて大切にしているのは「柔軟な姿勢」だとおっしゃっていました。
歴史ある伝統を守りながらも、新しいものを積極的に取り入れて融合させること。困ったときは周りの人を頼ること。
この考え方こそが、新たな日本酒の味や価値を生み出す原動力となっているのだと感じました。

◾️ まとめ

柏崎の食文化を支えてきた酒蔵が、地震という災害を乗り越え、力強く復興してきた姿には、勇気と希望を感じました。
今回のフィールドワークを通じて、柏崎の歴史や新たな挑戦に触れることができました。6期生も、この経験から多くの学びを得たことでしょう。